1. はじめに

ここは兵庫県篠山市今田町、信楽焼、備前焼、瀬戸焼、常滑焼、越前焼と並び、六古窯 の一つに数えられる立杭焼の里として有名な山間地。 テレビ大阪(以下TVO)の電波塔がある 大阪生駒山方向には標高差が100mを軽く越える稜線が連なり、電波状況は悪い事が想像できます。
筆者は8年前、大阪からこの地に移住し、制御機器のシステム設計屋として糧を得てはいる のですが、どちらかと言えばアナログ屋、仕事ではオーディオ周波数帯しか経験がありません。
ここは腰を落ち着かせ、難解な高周波帯の書籍をひもとき、大阪に住んでたころ、好きだったTVOを安定に観るため、また、地デジ放送が始まった事もあり、 電気屋さんでは絶対売ってないようなTV用アンテナをホームセンターで手に入る部品で作っていきたいと考えております。
さてさて、どうなりますやら・・・・。

                  ご意見等頂けましたら、ありがたいです・・・bzk00100@nifty.com

2. 現状と当ウェブサイトの目的

先ずは写真を見てください。
フリーのアンテナシミュレータ MMANA を使用し製作した、全長約3m、37素子最大利得は22.5dBi(設計値)のアンテナとTV画面です。 確かにTVOは映ってはいますが、辛うじて映ってるだけで、一日安定に視聴はできません。 頻繁にブロックノイズが現れ、画面はグリーンアウトします。 また、本当に設計値通りの性能が出ているかも不安です。

当サイトではもっと安定にTVOを見られる方法を検討模索し、さらに完成度の高い?アンテナを設計すべく、知識を広げて行きたいですね。
高周波回路に関する知識は素人同然、論理矛盾、思考破綻があると思います。その場合は・・優しくご指導の程、宜しくお願い致します。
                  2009.2.25

3. 当地の電波環境(地デジ中継局)

① 西宮山口中継所

url
http://www.ktab.go.jp/2011/schedule/area10/index.html
標高
520m
直線距離
20km
NHK教育
473MHz(13ch) 出力:3w
読売
479MHz(14ch) 出力:3w
朝日
485MHz(15ch) 出力:3w 
毎日
491MHz(16ch) 出力:3w
関西
497MHz(17ch) 出力:3w
NHK総合神戸
527MHz(22ch) 出力:3w
サンテレビ
551MHz(26ch) 出力:3w

ERP値は公表されて無いがサービスエリアの北端境界線、相野駅近く(測定ポイント1)の公表電界強度が高さ10mで1mv/m である事から、送信アンテナの利得は2dBi前後と考えられる。
・・・考_A  計算値で1.2mv/m
断面1は西宮山口中継所-立杭 間、約300mの稜線を越えると比較的平面な標高200mの大地が中継所まで続く。

断面1

② 大阪生駒山送信所

url
http://ja.wikipedia.org/wiki/生駒山テレビ・FM送信所
標高
560m
直線距離
60km
NHK教育
473MHz(13ch) 出力:3kw(ERP:25kw)
読売
479MHz(14ch) 出力:3kw(ERP:25kw)
朝日
485MHz(15ch) 出力:3kw(ERP:25kw) 
毎日
491MHz(16ch) 出力:3kw(ERP:25kw)
関西
497MHz(17ch) 出力:3kw(ERP:30kw)
テレビ大阪
503MHz(18ch) 出力:1kw(ERP:21kw)
NHK総合大阪
527MHz(22ch) 出力:3kw(ERP:24kw)
断面2

①②いずれの場合も断面図で分かる通り送信アンテナを直視する事はできない。

③ 当地 篠山市今田町下立杭

url
立杭焼(丹波焼)
標高
220m
生駒山
山口畑山

4. 電界強度の測定器を考える

さきだつものが潤沢にあればそれなりの測定器を購入し、それなりに評価できるのですが、ここではマスプロ電工製 地デジチューナー DT610を駆使?し、電界強度計モドキを実現します。

① 方法

西宮山口送信塔を見通せる場所で、λ/2ダイポールアンテナを接続したDT610で受信し、 表示されたDT610のレベルメータ値と計算値 でも求めた電界強度を対応させ測定器とします。

② λ/2ダイポールアンテナ(2.14dBi)+DT610+モニター

DT610と旧ナビで使用していたモニター、戸外で使用する場合いずれも電池(9v)で駆動可能。
ダイポールアンテナは280mm ↓はf特の計算値、15ch(485MHz)の利得は2.1で計算する。

③ 測定ポイント

断面1に測定ポイント1. 2.をプロットする。
大地反射を考える場合、標高0mの大地に300mの送信アンテナが設置されていると考える。

断面3

③-1 測定ポイント1.相野北

標高
188m
直線距離
18km
受信アンテナ高
2m
NHK教育
473MHz(13ch) DT610レベル:51
読売
479MHz(14ch) DT610レベル:53
朝日
485MHz(15ch) DT610レベル:51
毎日
491MHz(16ch) DT610レベル:51
関西
497MHz(17ch) DT610レベル:45
NHK総合神戸
527MHz(22ch) DT610レベル:60
サンテレビ
551MHz(26ch) DT610レベル:55
テレビ大阪
503MHz(18ch) DT610レベル:28
NHK総合大阪
539MHz(24ch) DT610レベル:31 

③-2 測定ポイント2.新三田南

標高
150m
直線距離
9.9km
受信アンテナ高
2m
NHK教育
473MHz(13ch) DT610レベル:77
読売
479MHz(14ch) DT610レベル:64
朝日
485MHz(15ch) DT610レベル:71
毎日
491MHz(16ch) DT610レベル:73
関西
497MHz(17ch) DT610レベル:64
NHK総合神戸
527MHz(22ch) DT610レベル:68
サンテレビ
551MHz(26ch) DT610レベル:60
テレビ大阪
503MHz(18ch) DT610レベル:0
NHK総合大阪
539MHz(24ch) DT610レベル:0 

④ 電界強度計算ツール

株式会社サーキットデザインさんの計算ツール を使用しました。

測定ポイント共通パラメータ
周波数
485MHz (15ch)
受信アンテナ高(Ht)
2m
送信アンテナ利得
2.14 (考-A参照)
受信アンテナ利得
2.1 (4.-②参照)
測定ポイント1パラメータ
直線距離(D)
18km
送信アンテナ高(Hr)
332m
測定ポイント2パラメータ
直線距離(D)
9.9km
送信アンテナ高(Hr)
370m

④-1 測定ポイント1 相野北 485MHz(15ch)

④-2 測定ポイント2 新三田南 485MHz(15ch)

④-3 DT610表示レベルと電界強度

④-1、④-2 より15chにおける表示レベルの差は 71 - 51 = 20 …(a)
一方、計算値の電界強度差は 64.5 - 53.9 = 10.6 … (b)
(a)(b)よりDT610の表示1単位は0.53dBμV/mと推測できる。

⑤ 上記④電界強度計算値の妥当性について

DT610入力範囲のカタログ値は34~89dBμVとある。
この値を75Ω電力値に変換すると-74.75~-19.75dBmW … (a)
DT610の映像限界値はレベル表示50~51で、これは測定ポイント1の環境に近い。
測定ポイント1の受信電力計算値Pr=-74.95dBmW、この値は(a)と近似している事より、 上記計算:④電界強度計算ツールで得られた値の妥当性はあると考えられる。
よってDT610を電界強度計とする場合

DT610のレベル表示50を 電界強度54dBμV/m とする。
DT610のレベル表示1単位を 電界強度0.53dBμV/m とする。